葬儀の知識

焼香のやり方から意味、順番まで

2023/7/24作成

2023/7/28更新

焼香は、日本の仏教の伝統的な儀式の一つであり、細かく砕いたお香を焚いて故人や仏様を拝むことで敬意と感謝を示します。

目 次

焼香を行う意味

焼香には「故人に線香の香りを食べてもらう」、「参列者の心と体をお清めする」という大きな2つの意味合いがあります。仏教の教えでは、故人の霊は四十九日まで香りを食べると言われているため、焼香をすることで故人のお腹を満たす意味があります。また、お香の香りには、穢れを払う効果があるとされているため、清らかな心と体で故人を供養するという意味もあります。焼香の起源はインドにあると言われています。高温多湿のインドでは遺体の腐敗が早く、葬儀の際にお香を焚くことで腐敗臭を抑える役割がありました。

事前に準備するもの

・焼香机

立礼焼香で使用する比較的大きな机です。

 

・香炉

香炉は、お香を焚くための容器です。使用する香炉の選び方は、地域や宗派によって細かい違いがあります。一般的には、金属や陶器で作られている香炉と香合が一緒になった物を使用します。

 

・香炉灰

香炉灰は香炉の中にあらかじめ入れておく灰のことで、熱で香炉が傷つくのを防いだり、お香の火を消えにくくする効果があります。香炉灰には安価で飛び散りにくい珪藻土灰がよく使用されます。

 

・抹香

抹香は香木を切り刻んで細かくしたものです。焼香の際は、魔除けの効果があるとされる

樒(しきみ)や、常温でも香りが強い白檀などがよく使用されます。

 

・焼香炭

焼香炭は火種として香炉の中に入れる炭のことで、棒状のものやブロック型など様々な種類があります。焼香炭に火をつける際は、仏前の蝋燭から火を貰います。

焼香の流れ

焼香には「立礼焼香」、「座礼焼香」、「回し焼香」という3つの種類があります。

以下では、もっともよく行われている立礼焼香の流れを紹介します。

 

1.焼香台の前に進む

前の人が焼香を終えて着席したら、立ち上がり次の人に軽く会釈をします。その後に焼香台の少し前に進み、遺族と遺影に一礼します。

 

2.焼香

焼香台の前まで来たら、親指、人差し指、中指で抹香をつまみ、そのまま額の高さに掲げます。この作法を「お香を押しいただく」と言い、押しいただいた抹香は静かに香炉に落とします。

 

3.遺族・遺影に一礼

焼香が終わったら、最後に祭壇から2、3歩下がり遺族と遺影に一礼したら席へと戻ります。

その後は心を静めて、故人の冥福を祈ります。

 

以上が、お焼香の一般的な手順です。ただし、お焼香の方法は宗派よって異なりますので、特に遺族から指定されていない場合は、自分の家が所属する宗派の作法に従います。事前に自分の宗派と作法について知っておきましょう。また、迷った場合は、他の参列者の作法を参考にするとスムーズに焼香を行うことができます。

焼香を行う順番

焼香は一般的に喪主、遺族、親族、一般参列者の故人と関係が深い順に行います。親族内の順番は配偶者、子供、兄弟、その他の親族になります。一般参列者の場合は、席の並び順で焼香を行います。

宗派による違い

焼香の回数の違いにはそれぞれ意味があります。焼香を1度行う宗派は、死を「~に帰る」と捉える仏教の教えを大切にしています。2度行う宗派は、「主香」と「従香」の考えに基づいています。主香を焚くことで故人の冥福を祈り、その火が消えないように従香を焚くという意味があります。3度行う宗派は、3という数字を重視する仏教の考えを大切にしています。

 

・浄土真宗では、自分を清めるために焼香を一度行いお香を押しいただくことなくそのまま香炉に落とします。また、焼香前に手を合わせる必要はありません。

 

・浄土宗では右手の三本指で抹香をつまんだ後、手のひらを上に向けます。押しいただく回数は決まっていませんが、多くの場合1度または3度焼香を行います。

 

・曹洞宗では焼香を2度行い、焼香の際は左手を右手に添えます。

 

・真言宗では焼香を3度行い、焼香の際は左手を右手に添えます。

 

・天台宗では、焼香の作法よりも故人を供養する心を重視しているため、焼香の回数は決まっていません。多くの場合1度または3度焼香を行います。

 

・日蓮宗では、参列者は1度、僧侶は3度焼香を行うとされています。

 

焼香は仏式特有の作法なので、神葬祭やキリスト教式の葬儀では行いません。その代わりに、神葬祭では玉串奉奠、キリスト教式では献花を行うことで、故人の安らかな眠りを祈ります。

焼香の際に注意すること

・焼香の際には数珠を持っていくのがマナーです。基本的には、左手の親指と人差し指の間に数珠を通して持った状態で、右手で焼香を行います。性別や宗派によって使用する数珠は異なります。宗派がわからない場合は略式数珠を持っていきましょう。また、数珠は自分を守るお守りとしての役割を持っているため、家族間での共有や貸し借りは避けましょう。

 

・予定が合わなくて通夜に参列できない場合は、通夜が始まる前に焼香だけ行う、後日弔問に訪れた際に焼香するなどの方法でお悔みを伝えます。その際は、必ず遺族に連絡しましょう。また、弔問は四十九日までに行くのがマナーです。

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