葬儀の知識

宗派による数珠の持ち方の違いは?数珠の種類や注意点まで

2023/7/28作成

2023/7/28更新

数珠(じゅず)は、葬儀や法事に用いられる小さな玉に糸を通して繋げた仏具のことを言います。元々は念仏を唱える際に使用されていたことから念珠(ねんじゅ)と呼ばれることもあります。数珠の玉の数は基本的に108個です。数珠を持って仏様を拝むことで人間が持つ108の煩悩を断ち切ることができると言われています。

目 次

数珠の種類

数珠の種類は大きく分けて「本式数珠」と「略式数珠」の2つがあります。男性用と女性用があり、女性用の数珠は一つ一つの玉が小さくなっています。素材や色など様々なものが販売されているため、自分に合ったものを選びましょう。

 

・本式数珠(本連数珠)

正式な数である108個の玉から作られた数珠のことを指し、二重にして使用します。宗派ごとに決められた形があるため、葬儀に参列する際は自分の宗派に合わせたものを使用します。購入する前によく確認しておきましょう。

 

・略式数珠(片手数珠)

玉の数が簡略された数珠のことを指し、一重で使いやすく、実用的なことが特徴です。また、子供用に、割れにくい素材で作られた小さめのサイズの数珠もあります。略式数珠は宗派に関係なく使用できるため、自分の宗派がわからない場合は、略式数珠を持参すれば問題ありません。

数珠の持ち方

数珠の持ち方は宗派によって異なりますが、どの宗派でも左手で持つのが一般的です。右手は現世を、左手は仏様の世界を表す手と言われており、左手で数珠を持つことで仏様が煩悩を消し去ってくれると言われています。

 

・天台宗

天台宗の数珠は、そろばん玉のような形の平玉で作られており、平玉20個と丸玉10個が連なる2本の房が付いているのが特徴です。合掌の際は、人差し指と中指の間に数珠を挟んだ状態で手を合わせ、房は下に垂らします。片手で持つ際は、二重にして左手の親指と人差し指の間にかけて房が下に来るように持ちます。

 

・真言宗

真言宗では特に数珠を重要視しており、長い一連の数珠を二重にして使用するため、振分数珠とも呼ばれています。合掌の際は、房を外側に出して両手の中指にかけた状態で手を合わせます。片手で持つ際は、二重にして左手にかけ、房を握るように持ちます。

 

・浄土宗

浄土宗の数珠は、2つの輪を一つに組み合わせた形をしているのが特徴で、念仏の数を数えやすいため日課数珠とも呼ばれています。合掌の際は、2つの輪を重ね、両手の親指と人差し指の間に数珠を挟んだ状態で手を合わせます。片手で持つ際は、2つの輪を重ね、房が手前に来るように親指と人差し指の間に数珠を挟んだ状態で左手に持ちます。

 

・浄土真宗

浄土真宗の教えでは、煩悩を消す必要が無いため数取りができないように房が蓮如結びになっていることが特徴です。また、浄土真宗には本願寺派と真宗大谷派があり、数珠の持ち方に違いがあります。

本願寺派は、合掌の際には二重にして親指と人差し指の間に数珠を挟んだ状態で房が下に来るように持ち、片手で持つ際は、房が下に来るように左手で持ちます。

真宗大谷派は、合掌の際には二重にして親指と人差し指の間に数珠を挟んだ状態で房が左側に来るように持ち、片手で持つ際は、房が左側に来るように左手で持ちます。

 

・曹洞宗、臨済宗

曹洞宗の数珠は金属の輪が通っているのが特徴で、多くの人が108個の玉で作られた本式数珠を持っています。合掌の際は、二重にして左手の親指と人差し指の間にかけて、右手を合わせます。片手で持つ際は、房が左側に来るように左手で持ちます。

 

・日蓮宗

日蓮宗の数珠は様々な種類があり、多くの人は勤行数珠を使用します。房は合計で5本付いており、それぞれが人体を表していると言われています。合掌の際は、2本の房が付いている方を右側に、3本の房が付いている方を左側にした状態で両手の中指にかけ、8の字にして手を合わせます。片手で持つ際は、二重にして左手に数珠をかけ、房が下側に来るようにします。

 

・略式数珠の場合

合掌の際は、両手にかけるか、左手の親指と人差し指の間にかけて持ちます。片手で持つ際は、左手の親指と人差し指の間にかけて持ちます。

数珠を扱う際の注意

・数珠の貸し借りはしない

数珠は持ち主の分身のような存在であり、家族間であっても共有や貸し借りは避けましょう。自分用の数珠を持っていない場合は、コンビニや100円ショップで購入しても問題ありません。

 

・椅子や床に置かない

数珠は自分の身を守るお守りの役割も持っているため、椅子の上などに置いたままにするのは良くないとされています。席を離れる際は、バッグやポケットにしまうなどして大切に扱いましょう。

 

・他の宗教の葬儀では必要ない

数珠は仏教特有の道具なので、神道やキリスト教の葬儀に持参する必要はありません。

 

・数珠が切れた場合

数珠の糸が切れて飛び散ってしまうことがあります。縁起が悪いと心配する人もいるかもしれませんが、数珠が切れるのは、「不幸を吸収した」「悪い縁が切れた」ことを表すため、不吉な意味はありません。落ち着いて拾い集めれば大丈夫です。

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