葬儀の知識

喪主が決めること一覧|家族葬の打ち合わせ前に知っておくと安心なこと

2026/2/9作成

2026/2/9更新

葬儀における喪主の役割はとても大きく、決めなければならないことも少なくありません。 しかし、喪主を務める方の多くは、何から手を付ければよいのかわからず、不安を感じることも多いのではないでしょうか。 家族葬は比較的シンプルな葬儀といわれていますが、喪主として打ち合わせで確認される項目は決して少なくはなく、限られた時間の中で判断を求められる場面もあります。 そこで今回は、喪主になったときに「これだけは押さえておくと安心」というポイントを、家族葬を中心にわかりやすく解説します。葬儀社との打ち合わせ前の予習として、ぜひご活用ください。

目 次

喪主の役割とは?家族葬で求められる立場と責任

遺族の代表者のことを「喪主(もしゅ)」といいます。喪主とは、葬儀や法要全般について、遺族の代表として方針を決め、葬儀社と相談しながら進めていく人のことをいいます。

また、参列者からの香典を受け取ったり、葬儀費用の支払いを行ったりする役割を担うこともあります。そのため、喪主のやることは、「葬儀社との打ち合わせ」や「僧侶とのやりとり」、「日程や場所の決定」、「葬儀当日の喪主挨拶」など、準備から後片付けに至るまで多岐にわたります。

さまざまなことを決めていくにあたって迷うこともあると思いますが、すべてを即決する必要はありません。その都度、葬儀社と相談しながら進めていけば大丈夫です。

喪主が葬儀社との打ち合わせで決めること【最優先3項目】


喪主が葬儀社との打ち合わせで、必ず決めなくてはいけない最優先事項は、「葬儀形式」「宗旨宗派」「葬儀の日程」の3点です。

葬儀形式(家族葬・一日葬・直葬など)

葬儀を行う上で、「費用」や「参列者の範囲」、「会場選び」などにも関わってくるのが葬儀形式です。

最近は、家族葬を中心とした小規模な葬儀が主流となりつつありますが、家族葬の中でも、お通夜を省略して一日で葬儀・告別式・火葬を行う「一日葬」や、お通夜・告別式も省略して火葬のみで弔う「直葬・火葬式」など、選択肢も多様化しています。それぞれの違いや、向き不向きを踏まえた上で、より適した形式を選ぶことをおすすめします。


【家族葬の葬儀形式】

・家族葬(二日葬)
1日目にお通夜、2日目に葬儀・告別式・火葬を行う
親族が多い場合や、一般的な流れで丁寧に見送りたい方向き

・一日葬
お通夜・葬儀・告別式を1日で行う
参列者は少人数で、負担をできるだけ抑えたい方向き

・直葬・火葬式
火葬のみで弔う
儀式は最小限にし、費用や時間を重視したい方向き

※直葬・火葬式は僧侶を呼ばないケースが多いですが、宗派や菩提寺の考えによっては選択できない場合もあります。


なお、葬儀形式は、打ち合わせの最初の時点では、仮決めでも問題ありません。火葬場の空き状況やご家族の意向、ご予算等を踏まえて調整していくことが可能です。

宗旨宗派(無宗教葬の場合は不要)

「家族葬」や「一日葬」など、宗教儀式を伴う葬儀を希望する場合は、事前に故人の宗旨宗派を把握しておく必要があります。同じ仏教でも宗派によって、葬儀はもちろん、その後の法要・納骨などの作法に違いがあるためです。

しかし、宗旨宗派がわからないというケースもあると思います。その場合は、家族や親族の記憶、あるいは仏壇の形式、お墓の場所などから、宗派を探し出すこともできます。一人で悩まず、まずは葬儀社に相談してみましょう。なお、菩提寺がない場合や、依頼が難しい場合は、葬儀社を通じて僧侶を紹介してもらうことも可能です。

一方、「直葬・火葬式」や「無宗教葬」のように宗教儀式を伴わない葬儀を選択する場合は、原則として宗旨宗派の確認は不要です。

ただし、菩提寺があり、宗教儀式を省略する葬儀を希望している場合は、納骨や今後の法要に影響が出ることもあるため、事前に菩提寺へ相談しておくことをおすすめします。

葬儀の日程・火葬日を決める

葬儀の日程は、火葬の日程から逆算して決めることになります。
火葬日は火葬場の空き状況によって前後するため、まずは葬儀社に、故人の住民票のある自治体や、死亡届を提出する自治体が管轄する公営火葬場の空き状況を確認してもらう必要があります。

家族葬(二日葬)や一日葬の場合、日程の決定は僧侶のご都合も考慮する必要があるため、火葬日程の候補が出てきた段階で、喪主が菩提寺の都合を確認します。この流れで、ご家族・僧侶ともに日程に問題がなければ、その日が正式な火葬日になります。

火葬日程が決まると、二日間で行う葬儀の場合、その1日前がお通夜、火葬当日の午前中が葬儀・告別式となることが一般的です。一日葬の場合は、火葬当日が葬儀・告別式となるケースが多いです。

日程が決まったら、参列者へお知らせしましょう。

事前に考えておくと安心なこと

次に、家族葬の打ち合わせでよく聞かれるポイントについてお伝えします。以下の内容について、事前に考えを整理しておくことで、打ち合わせをスムーズに進めることができます。

参列者の範囲

参列者をどこまで呼ぶかは、葬儀形式の選択にも影響します。

故人と関わりのあったすべての人に参列してほしいのであれば、「一般葬」、親しい人や家族のみでアットホームなお見送りにしたいのであれば「家族葬」や「一日葬」というように、まずは、ざっくりとした希望から考えていきましょう。

もし、家族葬や一日葬を選んだ場合、「同居の家族のみ」「家族と3親等までの親族」「親しくしていた友人まで含める」など、さまざまな選択肢があります。それによって会場のキャパシティや式の雰囲気、葬儀費用なども変わってくるため、総合的に考えて決めていきましょう。

また、家族葬のように参列者の範囲を限定する場合、参列を控えてもらう方への伝え方にも配慮が必要です。誤解やトラブルを防ぐためにも、事前に「家族のみで静かに見送りたい」という意向を伝えておきましょう。

なお、参列者の範囲は、当日に大きく変更することが難しいため、事前にご家族で充分に話し合って決めておくことが大切です。

訃報の連絡方法

参列者の範囲が決まったら、「誰に・いつ・どのように」連絡するかを整理しましょう。
ここを曖昧にすると、家族葬では特にトラブルや誤解が生じやすくなるため注意が必要です。

家族葬の場合、参列してほしい人と訃報を送る人が必ずしもイコールにはなりません。参列してほしい人には葬儀案内を含めた訃報を事前に伝え、それ以外の関係者には、葬儀後に訃報のみを知らせるケースが一般的です。

連絡方法としては、少人数の家族葬の場合、参列してほしい人への事前報告は電話で行うことが多く、相手との関係性によってはメールやメッセージアプリを用いるケースもあります。

一方、訃報のみを知らせる事後報告は、ハガキや手紙などを用いることが多いです。事後報告の連絡には、「故人の遺志により、家族のみで静かに見送りました」といった理由を明記しておくとトラブル防止につながります。

香典・供花・供物の受け取りについて

家族葬では、香典(こうでん)・供花(きょうか)・供物(くもつ)を受け取るかどうかも、喪主が事前に決めておきたいポイントの一つです。いずれも、故人への弔いの気持ちから贈られるものですが、小規模な家族葬では、「飾るスペースに限りがあるから」「お返しが遺族の負担になるから」といった理由から、辞退するケースも少なくありません。

辞退を希望する場合は、事前に伝えておく必要があるため、葬儀社との打ち合わせのタイミングで決めておくようにしましょう。

遺影写真

葬儀会場で祭壇に飾られる遺影写真を用意するのも、喪主の役割の一つです。

故人が生前に遺影写真を用意している場合はそちらを用いますが、用意がない場合は、手元にある画像データや写真の中から故人らしい表情の一枚を選んで葬儀社に提出しましょう。どの写真がよいかで迷ったら、複数の候補を用意して、葬儀社の意見を仰いでもよいでしょう。

すぐに決める必要はないけど考えておくと安心なこと

次に、優先順位は高くありませんが、余裕があれば事前に考えを整理しておくと安心なことについてお伝えします。

祭壇のデザイン

祭壇について細かい部分まで事前に決めておく必要はありませんが、さまざまな選択肢があるということは把握しておくとよいでしょう。

仏式では、伝統的な白木祭壇が最も多く用いられますが、よりシンプルにした祭壇や、花を中心とした生花祭壇などの選択肢もあり、それらの中から、葬儀の雰囲気にあったものを選ぶことができます。祭壇は、葬儀会場の印象を左右する大きな要素でもあるので、希望があれば葬儀社に伝えましょう。

花の種類や色味

打ち合わせでは、会場に飾られる花の種類や色味の希望を聞かれることもあります。故人の好きな花や好きな色があれば伝えるようにしましょう。

ただし季節によっては、ご希望の花が用意できないこともあります。特に希望がなければ、「葬儀社にお任せ」でも問題ないでしょう。

写真・映像演出

ご家族によっては、会場にメモリアルコーナーを作ったり、式中にスライドショーや映像を流したりするケースもあります。そのような演出を希望する場合は、どんな写真を飾るか、どんな映像にするかなどもイメージしておけるとよいでしょう。

「会葬御礼」や「返礼品」の内容

会葬御礼は、葬儀に参列していただいたことへのお礼の品物、返礼品は、香典に対するお礼の品物のことです。

会葬御礼は、葬儀当日に受付でお渡ししますが、返礼品は、後日あらためて送る場合と、当日に会葬御礼と同じタイミングで渡す場合とがあります。 「それぞれの品物を何にするか」と合わせて、返礼品を「当日返し」にするか「後日返し」にするかも考えておけるとよいでしょう。

「葬儀費用」に関して喪主が把握しておきたいこと

葬儀費用は「高額」、「わかりにくい」という印象があると思いますが、事前に費用の仕組みを知っておくことで、費用トラブルを防ぐことにつながります。

葬儀費用は3つにわけられる

葬儀費用とは、葬儀にかかる費用の総額のことをいいます。
その中には「葬儀社に支払う金額」「宗教者に渡すお布施」「火葬場や式場に支払う金額」が含まれています。

葬儀費用=葬儀社に支払う金額+宗教者に渡すお布施+火葬場・式場に支払う金額

それぞれ解説していきます。

【葬儀社に支払う金額】
葬儀社は、ご遺体の搬送・安置から式当日のスタッフの配置、運営サポートまで、葬儀に必要な手配全般をしてくれます。そして、そのために必要となる費用を「一式〇〇万円〜」という形で提供しています。

ただし、何がセットプランに含まれているかは葬儀社によって違うため、見積もりを確認する際には、総額だけでなく内訳まで確認することが大切です。その上で、不明点があれば、細かいことでも必ず質問するようにしましょう。

【宗教者に渡すお布施】
僧侶など宗教者に渡すお布施は、読経や戒名授与に対するお礼としてお渡しする金額のことで、葬儀社に支払う費用とは別に必要です。それ以外に、僧侶の交通費代わりとして「御車代」、会食に参加されない場合の食事代として「御膳料」が別途必要になる場合もあります。

お布施の金額については、菩提寺との関係性や地域、宗派などによって相場が異なります。事前に金額の目安を把握しておきたい場合は、菩提寺に相談してみてもよいでしょう。

【火葬場や式場に支払う金額】
火葬場では火葬料がかかります。また、火葬場の待合室や葬儀式場を利用する場合は、それぞれ使用料が必要になります。これらの費用は、葬儀社の基本プランとは別に発生しますが、支払いについては葬儀社が取りまとめて行うケースも多くあります。

喪主のための打ち合わせ前チェックリスト

最後に、これまでお伝えしてきた内容を踏まえ、喪主がやるべきことを一覧にまとめました。

喪主が決めるべきこと一覧
家族葬の打ち合わせ前に抑えておきたいこと
葬儀の方針を決める ・葬儀形式を決める
(家族葬〈二日葬〉/一日葬/直葬・火葬式 など)
・宗教儀式を行うかどうかを決める
・宗旨宗派を確認する(菩提寺の有無)
火葬日・葬儀日程を決める ・葬儀社に火葬場の空き状況を確認してもらう
・火葬日の候補が出た段階で、菩提寺の都合を確認する
・火葬日・葬儀日程を確定する
・通夜・葬儀・告別式の時間帯を決める
参列者の範囲を決める ・一般葬にするか、家族葬にするかを明確にする

・家族葬の場合
 同居家族のみ
 親族(何親等まで)
 親しい友人まで含めるか

・想定人数を決める

訃報の連絡方法を整理する ・誰に事前連絡するか
・誰に事後報告とするか
・連絡手段を決める
(電話/LINE/メール/ハガキなど)
・家族葬の場合、参列辞退の意向をどう伝えるか
遺影写真を決める ・選定基準は「故人らしさ」
・迷ったらいくつか候補を出して葬儀社に相談
費用の全体像を把握する ・葬儀社に支払う費用/宗教者に支払う費用/火葬場や式場に支払う費用がある
お布施の目安を確認する(必要な場合) ・菩提寺がある場合はお布施の目安を確認してもよい
・お布施以外に必要な費用があるか
(御車代・御膳料など)
香典・供花・供物の扱いを決める ・辞退するか否か
・供花や供物
返礼品・会葬御礼について ・品物は何にするか
・返礼品は「当日返し」にするか「後日返し」にするか
式の細かな内容を決める
(余裕があれば)
・花の種類や色味の希望
・写真展示や映像演出を行うかどうか
・音楽や式次第の希望

事前に知っておくだけで、喪主の負担は軽くなる

喪主がやるべきことは多く感じられるかもしれませんが、すべてを一人で抱え込む必要はありません。大切なのは、葬儀の方針や参列者の範囲、費用の考え方など判断が必要になるポイントを事前に押さえておくことです。

不安や迷いがある場合は、その都度葬儀社に相談しながら進めることで、後悔のないお見送りにすることができます。

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