葬儀の知識

神道・神葬祭とは ~日本古来より続く宗教~

2023/7/6作成

2023/7/28更新

神道とは、古代から現在まで続く日本独自の宗教であり、自然や祖先への信仰を中心に据えています。この宗教の最大の特徴は、日本人の生活に広く浸透するとともに外来の文化も受け入れ日本風に変えることであり、日本という国家の形成に強く影響を与えています。 神葬祭(神道の葬儀)は、日本の伝統的な葬儀の一形態です。 神葬祭は、故人の魂を神様の世界に送り、神々への感謝や供物を捧げることを目的としています。 神葬祭を行う割合は全体の数%と言われており決して多くはありませんが、日本に古くから伝わる葬儀としてその慣習やしきたりの一部は受け継がれています。

目 次

神葬祭の特徴 ~神葬祭独自の儀式~

・玉串奉奠(たまぐしほうてん)

榊の枝に紙垂(しで)と呼ばれる神を付けたものを玉串と言い、参列者が玉串を神に捧げて祭壇に奉納することを玉串奉奠と言います。

玉串奉奠は仏式での焼香、キリスト教での献花に相当します。

祖霊舎(みたまや)

仏式における仏壇に相当しますが、仏壇は本尊を祀るためのもので祖霊舎は先祖の霊を祀るためのものという大きな違いがあります。

神棚封じ

神道では死は穢れと考えられているため、家族が亡くなった際神様に穢れが及ばないように白い紙を貼って神棚の扉を封じます。

神棚封じは五十日祭(仏式における四十九日)まで行います。

手水の儀(ちょうずのぎ)

神道における大切な儀式の一つで、祭事の前に身の穢れを清めます。

水を汲んだ柄杓を持ち、左手、右手の順に水をかけて清めます。次に左手に水を受けて口に含み軽くすすいだ後左手を軽く清めます。

神葬祭の歴史 ~神葬祭のはじまり~

神葬祭の歴史は古く、その起源は古事記の中のアメノワカヒコという神の葬儀で宴会を開いて弔った描写にあると言われています。しかし、飛鳥時代の終わり頃から仏式が主流になったため、公に神葬祭が行われるようになったのは江戸時代以降からです。明治時代に入ると、明治政府の政策によって神道が再び広まり初詣や七五三といった神道由来の行事が一般的になりました。

神葬祭を行う意味 ~先祖崇拝と穢れ~

神葬祭には「先祖崇拝」と「穢れ」という2つの大きな意味合いがあります。

神道では祖先の魂は子孫を見守り家の守護神として一族を守ってくれる存在だと考えられています。

また、穢れという生命力が減退した状態をお払いによって清めることで普段の日常に戻すという意味があります。

 

神道の葬儀では、故人の御霊を祖霊舎に祭ることが目的です。神聖な場所である神社では葬儀を行わないため、斎場か自宅で行われます。葬儀の形式は地域や神社によって異なる場合があるため具体的な葬儀の内容や手続きについては、地元の神社や神職に相談することをおすすめします。

神葬祭の流れ ~一般的な葬儀の形式~

1帰幽奉告の儀

神道では人が亡くなることを帰幽(きゆう)と言い、神棚や祖霊舎に対して故人の死を報告する儀式です

この際に、神棚封じを行います。

 

2枕直しの儀

仏式と同じように遺体のお清め、死化粧をして白装束を着せた遺体を北枕に寝かせ、白い布で顔を覆います。その後枕元に祭壇を設け、米や水、お神酒、故人が好きだったものなどを供えて枕飾りを作ります。

枕飾りができたら、全員で故人を囲みお祈りをします。

 

3納棺の儀

故人を棺の中に安置します。棺の蓋を閉めた後は白い布で覆い、棺を祭壇の前に安置した後全員で手を清めて礼拝します。

 

4通夜祭

仏式での通夜式にあたるもので葬儀祭の前夜に行われます。

はじめに斎主(神職の方)にならって全員でお辞儀をします、次に斎主が祭詞を唱えて故人の安らかな眠りと、守護霊として遺族や子孫を守ってくれることを祈ります。

このとき参列者は玉串奉奠を行います。

 

 

5遷霊式

遷霊式は故人の御霊を霊璽(れいじ 仏式における位牌)に移す儀式です。

通夜祭とは本来別の儀式ですが、現在は通夜祭に続いて行われることが増えています。

 

6葬場祭

神葬祭のメインとなる儀式で、仏式の葬儀と告別式にあたります。

基本的な流れは通夜祭と同じですが、喪主の挨拶、弔電の読み上げなどが行われます。

この儀式が終わると出棺になるため、故人と過ごす最後の時間になります。

 

7火葬祭

火葬場で斎主が祭詞を唱え、参列者が玉串奉奠を行います。

 

8埋葬祭

お墓に納骨する前に行われる儀式で、近年は遺骨を一度持ち帰って五十日祭に行われることが増えています。

 

9帰家祭と直会(なおらい)

帰家祭は葬儀後に自宅に戻ったときに行う儀式です、塩と水でお清めをして、葬儀が無事に終了したことを霊前に報告します。

直会は、斎主や参列者をねぎらい感謝の気持ちを伝えるための宴会で、神事を行った後通常の生活に戻る意味を持っています。

参列者が注意すること ~服装や言葉のマナー~

・服装は仏式の葬儀と同様に喪服を着用しますが、数珠は必要ありません。

・神道と仏教では死に対する考え方が違うため、誤って「成仏」「冥福」などの仏教用語を使用しないよう注意が必要です。

・不祝儀袋は黒と白、または双銀の水引のものが一般的です。表書きには「御玉串料」「御前」と記載します。また、蓮の花が描かれている不祝儀袋は仏式用なので神葬祭には使用できません。

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