葬儀の知識

献花とは

2023/7/19作成

2023/7/28更新

献花とは、故人に一輪の花を捧げてお別れの気持ちを伝える行為で仏式における焼香と同じ意味を持っています。主にキリスト教の葬儀で行われているため、日本ではあまり馴染みのない儀式ですが最近は無宗教の葬儀やお別れの会で献花を行う人も増えています。また、葬儀だけでなく悲惨な事件や事故の現場に献花を行う場合もあります。

目 次

献花の意味

献花は、参列者が故人に対するお別れの気持ちと弔意を示す意味合いを持っています。

また、キリスト教における死は、神様に召されて天国に行くことだと考えられているため、献花によって神様への感謝を示し、故人が天国で安らかに過ごせるように願います。

献花の種類

献花に使用する花の種類に特別な決まりはありませんが、主に白い花が用いられます。献花に適しているのは、一輪咲きで茎が長く、しおれにくい花と言われています。

 

・ユリ

白いユリはキリスト教において聖母マリアや大天使ガブリエルの象徴と言われており「純潔」、「無垢」などの花言葉を持っていることから献花に使われる定番の花です。

 

・カーネーション

カーネーションにはイエスが十字架にかけられたときに聖母マリアが流した涙から生まれたというエピソードがあり、ユリと同様にキリスト教と深い関係がある花です。白いカーネーションは「あなたへの愛は生きている」「尊敬」、「亡き母を思う」などの花言葉を持っています。

 

・菊

菊は平安時代に中国から伝わり皇室のシンボルにもなっている日本人にとって馴染みの深い花であるため、近年では無宗教の葬儀やお別れの会でよく使われます。白い菊は「真実」、「慕う」、「誠実な心」などの花言葉を持っています。

 

そのほかにも、色や種類にこだわらず故人が生前好きだった花を用いることもあります。しかし、バラなどのトゲがある花や香りが強すぎる花、茎が短い花、しおれやすい花などは献花に適していません。もし、故人が好きだった花が献花に適しているかわからない場合は、葬儀社に相談してみてください。

供花との違い

供花とは、葬儀の会場、祭壇やその周囲に飾る盛花で花に名札を立てることが特徴です。供花と献花はどちらもお別れの気持ちを伝えるために故人に花を供えることを指します。しかし、献花は故人のみを対象に捧げるもので、供花は故人だけでなく遺族に対してもお悔みの気持ちを表すものです。

別れ花との違い

別れ花は献花、供花と同じように故人と関係の深かった方が捧げる花です。意味が似ているため、混同している方もいるかもしれませんしかし、献花では献花台に花を捧げるのに対し、別れ花では出棺前に棺桶の中に花を納めます。

献花のタイミング

献花を行うタイミングは宗派や葬儀の形式ごとに異なります。同じキリスト教式でもカトリックでは弔辞や弔電を紹介した後、プロテスタントでは告別の祈りの後などの違いがあります。また、無宗教の葬儀やお別れの会では、式自体が自由な流れで行われるため献花のタイミングに決まりはありません。

献花の流れ

一般的にこのような流れで行われます。

 

1花を受け取る

はじめに、スタッフの方から配られた花を両手で受け取ります。受け取る前に遺族に一礼し、花が右、茎が左になるように優しく持ち、そのまま自分の順番を待ちましょう。

 

2花を捧げる

献花は喪主、親族、参列者というように故人と近い関係性の方から行われます。順番が回ってきたら、花を持って遺族に一礼をします。祭壇の前まで進んだ後は献花台の前で一礼し、時計回りに花を回して茎が献花台の方に向くように持ち替えてから、左手を花の下に添えて献花台に置きます。

 

3黙祷

献花台に花を置いた後の作法は、宗教によって変わります。カトリックの場合は黙祷後に十字を切り、プロテスタントの場合は胸の前で手を組んで黙祷します。無宗教の場合は、基本的に手を合わせて黙祷をします。最後に神父(または牧師)、遺族に一礼して自分の席に戻ります。

御花料

キリスト教では香典の文化が無いため、代わりに「御花料」という形で献花の料金を渡します。御花料の金額は香典と同じように故人との関係性で変化します。御花料を包むときは、白色でユリの花や十字架が描いてある封筒か、白無地の封筒を使用します。表書きには薄墨で「御花料」と書きます。

献花の注意点

・献花は参列者が持参するものではなく、葬儀場や教会で用意されている花を使うのが基本です。自分で用意した献花を捧げることはマナー違反となっています。また、葬儀で献花を行う際は葬儀社に発注するのが一般的です。

 

・遺族や近隣住民、自治体の方が事件や事故の現場に献花台を設置することもあります。献花として供える花の種類は葬儀のときと同じものが使用されます。しかし、献花台の管理には手間がかかるため、あまりにも多くの花がお供えされている場合は献花を遠慮することもマナーの一つです。また、献花の作法を行う必要はありません。

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