葬儀の知識

菩提寺が遠方の場合の葬儀はどうする?檀家の対応と注意点

2025/9/19作成

2025/9/19更新

菩提寺とは先祖代々お付き合いのあるお寺のことです。 仕事や進学などの都合で都市部へ転居し、地方の実家から離れた場所に生活拠点がある場合、菩提寺が遠方にあるという方も少なくありません。その場合、葬儀の際に菩提寺に連絡すべきか迷われるのではないでしょうか。 そこで今回は、「菩提寺が遠方にある場合の葬儀における喪主の対応」について解説します。「そもそも菩提寺があるかわからない場合」や「遠方の菩提寺から近くの菩提寺に変えたい場合」の対処法についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

目 次

菩提寺とは?

菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖代々のお墓があり、法要や供養をお願いしてきたお寺のことをいいます。昔から人々は先祖の供養のためにお墓をお寺の境内に建て、そのお寺を「菩提寺」と呼んできたのです。

一方で「檀那寺(だんなでら)」という言葉もあります。こちらは、お墓はお寺の境内にないけれど、葬儀や法要をお願いし、檀家(だんか)として支えているお寺のことを指します。

しかし、実際、日常会話の中では「檀那寺」という言葉はあまり使われず、お墓が別の場所にあっても長く法要をお願いしているお寺を「菩提寺」と呼ぶことも多くなっています。

そのため、このコラムでもお墓の場所に限らず「菩提寺」と表現しています。 

葬儀の際は菩提寺の僧侶に来てもらう

葬儀の際に、菩提寺がある場合は菩提寺の僧侶にお越しいただき、読経供養をしてもらいます。

また、仏教では故人のあの世での名前である「戒名(かいみょう)」を授けていただくことで、故人が迷いなく極楽浄土へ辿り着けると考えられているため、葬儀の際には菩提寺の僧侶に戒名授与も合わせてお願いすることになります。

ちなみに、無宗教葬や火葬式・直葬では、読経供養や戒名授与は必須ではありませんが、菩提寺にお墓がある場合には、戒名や僧侶による供養を受けていないと、納骨や法要を受け入れてもらえないことがあるため注意が必要です。

菩提寺が遠方にある場合の葬儀はどうする?

葬儀を執り行うことになったら、菩提寺が遠方にある場合でも、必ず最初に菩提寺へ葬連絡しましょう。

遠方であっても、僧侶のご都合がつけばお越しいただけることもあります。もし、菩提寺の僧侶にお越しいただけるとなった場合は、交通費と宿泊費の用意も忘れないようにしましょう。

また、もしお越しいだくのが難しい場合でも、同じ宗派のお寺をご紹介いただけることがあります。その際は紹介先のお寺に依頼しましょう。

もし菩提寺の僧侶にお越しいただくことも、別の寺院をご紹介いただくことも叶わなかった場合は、菩提寺に承諾を得て、葬儀社に相談するとよいでしょう。葬儀社ならたくさんの僧侶とお付き合いがあるため、同じ宗派の僧侶を手配してくれるかもしれません。

いずれにしても、最初に菩提寺に連絡し、どのような対応をすべきか確認することが大切です。万が一菩提寺への連絡を怠ってしまった場合、後々の納骨や供養に影響が出る場合があるため、必ず連絡するようにしましょう。


【菩提寺が遠方にある場合の喪主の対応 まとめ】

菩提寺の僧侶に葬儀を執り行う旨を電話で連絡する

パターン1:菩提寺の僧侶が来ていただける場合
→ 交通費と宿泊費相当を用意しておく

パターン2:菩提寺が近くのお寺を紹介してくれた場合
→ 紹介先に依頼する。

パターン3:菩提寺の僧侶が来られず別の寺の紹介もない場合
→同じ宗派のお寺を紹介してもらえるか葬儀社に相談する。


 

菩提寺とのよくあるトラブル

次に、遠方の菩提寺との間によく起こりがちなトラブルをご紹介します。

菩提寺に連絡をせず別のお寺に依頼した

菩提寺への連絡を行った場合、戒名や供養の手続きがされていないとして、お墓への納骨を断られる可能性があります。

また、菩提寺とは家単位での付き合いになるため長年先祖が築き上げてきた菩提寺との良好な関係性を悪化させてしまうことにもつながってしまいます。

お布施の金額が高すぎた/低すぎた

宗派や菩提寺との関係性によって適切な金額は変わるため、お布施の金額には正解がなく、高すぎても低すぎても失礼に当たってしまいます。そのため、お布施にいくらお包みするかで悩む方も多いと思いますが、わからない場合は親族の年長者や葬儀社に相談してみましょう。

また、お寺に直接確認すると相場を教えてくれることもあります。その際は「相場を存じ上げないので、皆さんどのくらい包まれているか教えていただけますか?」などと聞いてみましょう。

遠方からお越しいただいたのにお布施だけで済ませた

一般的に、遠方から僧侶にお越しいただいた場合は、僧侶の交通費や宿泊費を喪主が負担することになります。そのため、お越しいただくとなった場合は、交通費や宿泊費の目安を確認し、相当額を上乗せしてお渡しする必要があります。

僧侶によって「お布施に含めてください」という場合や「別途いただければ助かります」という場合があるため、ご意向を事前に確認しておくと安心です。ちなみに、お布施に含めてお渡しする場合の表書きは「御布施」のままでよいですが、別途お包みする場合、交通費は「御車代」宿泊費は「御宿代」という表書きでそれぞれ封筒を用意しましょう。

菩提寺がわからない時はどうする?

菩提寺がわからない場合、最も確実な方法は、親族の誰かに確認することです。菩提寺は親族全体で代々お世話になっている場合が多いため、年長の親族が覚えている可能性が高いでしょう。

法要の案内状や領収書、香典返しの控えを探すことも一つの方法です。法要の写真などにお寺の名前が残っていることなども考えられるため、ご自宅の整理をしながら探してみると、意外なところから手掛かりが見つかるかもしれません。

また、昔からのご近所さんに聞いてみたり、家の近くのお寺に「〇〇家の菩提寺をご存じでしょうか」と尋ねてみるのも有効な手段の一つです。ただし、檀家情報は個人情報でもあるため、お寺によっては即答してもらえない場合もあります。

それでもわからないときは、葬儀社に相談し、宗派に合った僧侶を紹介してもらう方法もあります。無理に探し出すことにこだわらず、信頼できるお寺と新しくご縁を結んでいくことも大切な選択肢のひとつです。

遠方の菩提寺から近くの菩提寺に変えることはできる?

遠方にある菩提寺だと、葬儀の際に供養してもらうことが難しいため、近隣のお寺に移りたいと考える方もいるでしょう。実際にいまの菩提寺から離壇をして、新しくお寺に入壇することは可能ですが、その際には、お墓の中にあるご遺骨の扱いについても考えておく必要があります。

離壇には、今のお墓にあるご遺骨を別のお墓に移す改葬を伴うことが多く、改装には費用も手間もかかります。つまり、遠方の菩提寺から近くの菩提寺に変えることは、単に菩提寺が変わるというだけでなく、お墓や遺骨の取り扱いをどうするかという問題も合わせて考えていく必要があるということです。

離壇を検討されている方は、菩提寺の問題とお墓の問題を総合的に考えて、どういう選択をすべきか決めていくことが大切です。

菩提寺が遠くても、まずは菩提寺に確認しよう(まとめ)

先祖代々続いてきた菩提寺との関係を大切に未来に繋げていくためにも、菩提寺に失礼のない対応を心がけることは重要です。特に菩提寺が遠くにある場合は、葬儀や法要をどうするかで悩まれる方も多いと思いますが、まず菩提寺に相談した上で、どう対処するかを考えましょう。

また、葬儀の際の菩提寺への対応について疑問やご不安ごとがあれば、葬儀社の無料相談をご活用ください。

さがみ典礼では、24時間365日無料でご相談を承っております。電話ではもちろん、対面でのご相談も可能ですので、ぜひお気軽にご連絡ください。

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