葬儀の知識

夏場に亡くなった場合、火葬までどう安置する?ご遺体保全の基礎知識

2026/6/23作成

2026/6/23更新

夏場に大切な方が旅立たれたとき、「暑い季節でも、ご遺体の状態変化は大丈夫だろうか…」と不安に感じるご家族は少なくありません。 気温の高い時期は、ご遺体の状態の変化が進みやすくなります。とはいえ、早めに適切な処置を行えば、火葬までの間も安心してお見送りの準備を進めることができます。 このコラムでは、「夏場のご遺体保全の基本的な知識」と、「臨終直後からご家族が知っておくべきこと」を、時系列に沿ってわかりやすく解説します。

目 次

夏場のご遺体保全が重要な理由

夏場は、一年で最も気温が高い時期です。

ご遺体の状態は、亡くなってから徐々に変化していきます。そして、気温や湿度が高いほど、そのスピードは加速します。

一般的に、ご遺体の変化が早まる条件は、気温25度以上、湿度70%以上といわれています。そのため6~7月の梅雨時期や夏日の多い8月、残暑が残る9月頃までのご遺体の安置には充分な配慮が必要です。

とはいえ、ご遺体の保全処置は葬儀社が行ってくれるため、ご家族が何かしなければいけないということは、基本的にはありません。

ご逝去直後に「まずやること」〜搬送までの流れ

ご逝去直後にご家族がまずやるべきことは、死亡診断書を受け取り、「速やかに葬儀社に連絡すること」です。

夏場は、室内で冷房をつけていても油断できない環境になりやすいため、「搬送までの時間をなるべく短くすること」と「安置後の適切な環境管理」の2点を踏まえた上で、落ち着いて順番に対応しましょう。

ここでは、ご逝去〜搬送までの流れをご紹介します。

【ご逝去〜搬送までの流れ】
1. 死亡診断書の受け取り
2. 葬儀社へ連絡
3. 搬送までの室内環境を整える
4. 安置場所を決める
5. 搬送・安置

 

1. 死亡診断書の受け取り

病院でお亡くなりになった場合は病院の医師が、ご自宅でお亡くなりになった場合はかかりつけ医が、死亡の事実を確認の上、死亡診断書を発行します。多くの場合、この死亡診断書の左側が「死亡届」になっており、役所への申請時に必要になります。

なお、かかりつけ医がいない場合や突然死の場合は、救急や警察への連絡が必要になることがあります。

2. 搬送までの室内環境を整える

夏場は室内でも温度が上がりやすいため、まずエアコンをつけて室内の温度を低く保ちましょう。エアコンをつけることで、ある程度の除湿効果も期待できます。
また、直射日光もご遺体が変化するスピードを早める原因になるため、カーテンを閉めておくことも大切です。

3. 葬儀社へ連絡

搬送までの時間を短くするためにも、葬儀社への連絡はなるべく早く行いましょう。24時間365日対応している葬儀社も多いため、深夜早朝に関わらず連絡することができます。

葬儀社や連絡する時間帯によっても異なりますが、目安として30分~1時間程度で迎えにきてくれることが多いです。

4. 安置場所を決める

葬儀社の到着を待つ間にご遺体の安置場所を決めておくと、その後の流れがスムーズに進みます。

安置場所の選択肢は、大きく分けて「ご自宅」「葬儀社の安置施設」「民間の安置専門施設」の3つがあります。ご家族が付き添いたい場合は自宅安置、長期間になる場合や住宅事情によって自宅安置ができない場合などには施設安置が選ばれることが多いです。

5. 搬送・安置

葬儀社が到着後は、葬儀社の指示に従いましょう。基本的に、搬送・安置に必要な作業はすべて葬儀社が行います。ご遺体は葬儀社の運転する寝台車で搬送しますが、ご家族1〜2名は寝台車に同乗できることが多いです。その際は、必ず死亡診断書を携帯しましょう。

ご安置後は、枕飾りの設営を行いますが、こちらも葬儀社が用意してくれることがほとんどです。

安置中のご遺体保全|ドライアイスの役割

安置場所に関わらず、ご遺体の保全にはドライアイスを使用することが一般的です。ドライアイスは非常に低温の冷却材です。

このドライアイスを、身体の中でも太い血管が通っている部位(お腹や脇の下など)に置くことで、ご遺体の温度上昇を抑え、お身体の状態変化を遅らせることができます。

ちなみに、ドライアイスは葬儀社がご遺体の状態や環境の条件に応じて設置してくれるため、準備や交換をご家族がすることは、基本的にはありません。

エンバーミングという選択肢

ドライアイスでのご遺体保全のほかに、エンバーミングという選択肢もあります。

エンバーミングは、ご遺体に防腐・殺菌処置を施すことで、ドライアイスに頼らずにご遺体を長期間保全する方法です。資格を持ったエンバーマーが、体内に特殊な液体を注入することで、ご遺体の状態を良好に保つことができます。

また、エンバーミングには、生前のお姿に近づける修復処置も含まれています。

エンバーミングが選ばれるケースは、以下の通りです。

【エンバーミングが選ばれやすいケース】
・長期間の安置が必要な場合
・飛行機での輸送が必要な場合
・病気や事故でご遺体の損傷が激しい場合 など

火葬までの流れと安置期間について

安置期間は、火葬までのスケジュールによって決まります。

火葬までの流れは、以下のように進みます。

【火葬までの流れ】
1. ご逝去
2. 搬送・安置
3. 葬儀の打ち合わせ
4. 納棺・お通夜
5. 葬儀・告別式・火葬

通常は、最短でご逝去の翌日がお通夜、翌々日が葬儀・告別式・火葬となることが多いです。

ただし火葬日は、「火葬場の空き状況」「ご家族のご都合」「僧侶のご都合」を照らし合わせて決めるため、

「火葬場やお寺の繁忙期に重なった」
「ご家族の誰かが遠方から帰ってくるのに時間がかかる」

などの理由から、火葬日が後ろにずれ込むことがあります。それに伴って、安置期間も伸びることになります。

安置期間が伸びると、ドライアイスや施設利用料の追加費用が必要になる場合があるため注意が必要です。

夏のご遺体保全、大切なのは早めの連絡(まとめ)

夏場のご遺体保全は、「速やかに葬儀社へ連絡すること」と「安置後の適切な環境管理」の2点が大切です。

とはいえ、搬送後の保全処置はすべて葬儀社が行うため、ご家族が特別な知識や準備をしていなくても、安心してお見送りの準備を進めることができます。

わからないことや不安なことがあれば、一人で抱え込まず葬儀社へご相談ください。

さがみ典礼では、福島・岩手・山形・茨城・千葉エリアの葬儀に関するご相談を承っております。夏場の安置についてのご不明点も、どうぞお気軽にご連絡ください。

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